「食の選択」やってみたらこうなりました。

西式甲田療法から始まった食とカラダの本当の力を知る旅★砂糖と肉断ちでめざせヴィーガン!実体験記

【5冊目】『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』で体に良い食品についての最強エビデンスを手に入れつつ、シロウトながらも食文化について考えてみてもらいたいなぁ…と思う一冊。

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はもりっくす(@HAMORIx64)です。

 

食や健康について知識を得ると

人にも伝えたくなってきますが

(基本的にはやめときましょう)  

 

そういうとき

力強い味方をしてくれるのが

今回紹介する

 

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(津川友介著/東洋経済新報社/2018)です。

 

 

当時発行されてすぐ

ベストセラーになった本ですね。

 

著者の津川友介氏は

ハーバード大学を経て

UCLA助教授で医師でもあり

医療政策や統計学の専門家で

データ分析に定評あり。

 

最強エビデンスによる科学的根拠

著者のハーバードやUCLA

といった一流の肩書は

 

人に「食の選択」の有効性や

重要性を伝える上での

力強いフォローに

なってくれると思います(笑)

 

とくにこの本の説明は

食に無関心な男性を目覚めさせる

のに向いているかもしれません。

 

でも結果メンドクサイ男になったら

ちゃんと責任とってあげて

くださいね(^_-)-☆

 

 

本の内容をざっくり説明すると?

 

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 本の冒頭、「本書の読み方」で

津川氏は以下のように語ります。

 

① 炭水化物は健康に悪く、食べると太る。

② βカロテンやリコピンは健康に良い。

③ 果汁100%のフルーツジュースは健康に良い。

 

「イエス」と答えた人はぜひこの本を読んでほしい。きっと目からうろこが落ちるような発見があるだろう。(p.008)

 

あなたは「ノー」と答えられましたか?

そうでなければぜひ

この本を一読してみてくださいね♬

 

 

この本には研究論文による科学的根拠だの

メタアナリシスによる最強のエビデンスだの

書かれていて一見お堅い感じですが

 

太字やマーカーなど細やかな配慮もあり

とても読みやすい本です。

 

パワポのプレゼン資料をみながら

セミナーを受講してるような感覚で

語り口もスパッと明確。

 

第一章で

日本人が勘違いしがちな健康常識

第二章で

体に良いという科学的根拠がある食べ物

第三章で

体に悪いという科学的根拠がある食べ物

について述べられています。

 

食品はエビデンスベースで

5グループに分類されるのですが、

 

例えばグループ1の

「健康によいということが

複数の信頼できる研究で

報告されている食品」

として、

 

①魚、②野菜と果物、③茶色い淡水化物、④オリーブオイル、➄ナッツ類 

 (p.032の表より)

 

グループ5の

「健康に悪いということが

複数の信頼できる研究で

報告されている食品」として

 

①赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない)と加工肉(ハムやソーセージなど)、②白い炭水化物(じゃがいもを含む)、③バターなどの飽和脂肪酸
(p.032の表より)

 

という感じです。

 

自分のふだんの認識と差がなく

この本のエビデンスで補強された気分で

ちょっと嬉しい気持ち。

 

ヴィーガンをバカにする人に

ほれほれ見てみろ~と

本を読ませたくなりますね。

 (ヴィーガンじゃないけど(;´∀`)

 

わりと容赦ない語り口がわたしは

気に入っています(^^♪

 

白米と砂糖はほぼ同じ!

 

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容赦なくていいな~と思うのは

以下のようなことをはっきりと

健康情報の前提として

書いてくださっているところです。

  

「でも、医者や栄養士がそう言っていたのに……」と思う方もいるかもしれない。専門の資格を持っていると正しいことを発信しているように見えるが、残念ながらそうとは限らない。(p.010)

 

医学部では食事や栄養のことを

ほとんど習わないという現実があります。

  

栄養士は、「このような食事をすれば健康になる」というルールを一般人に指導することに関しては秀でているが、そのルールがそもそも科学的根拠にもとづく正しいものであるかどうかを判断するために必要な専門知識(統計学や疫学と呼ばれる学問)を持っていない人も多い。(p.010)

 

食や健康分野についての本を読み込むと

専門家と呼ばれる人の間でも認識に

バラツキも多いし誤解も多い

ことが自然とわかってきますが

 

関心がない人ほど専門家を

うのみにしがち。

 

たしかに医師は手術や薬の処方など

対処の手段は知っているけど

病気そのものや体や心のしくみについて

よくわかってない人も多いですし

 

栄養士も知識が古かったり

ガイドラインなどに縛られて

学んだことを伝えてるだけ

の人が多いような気がします。

  

日本人は何事も「食べ過ぎなければ大丈夫」というあいまいな結論に持って行きたがる傾向があるが、残念ながら、日本人が大好きな白米は「少量でも体に悪い」と言っても良いだろう。(p.109)

 

日本人の白米信仰についても

ばっさり、ですね。

 

著者のブログでも

白米不健康説について改めて

書かれているようです⇒白米は健康に悪いって本当ですか? – 医療政策学×医療経済学

  

また、「○○が健康に良い」という情報は、商品の売り上げに大きな影響力を持つため、科学的根拠のない健康情報がマーケティングの一環として利用されてしまっているという側面があることも忘れてはならない。(p.010)

 

食品に関する関連業界は関連省庁にロビイングをしているため、省庁が発表する「ガイドライン」ですら歪められてしまっている可能性を否定できない。(p.011)

  

またそのガイドラインがつくられた当時は正しかったのかもしれないが、最新の研究結果が反映されていないことで、時代遅れになってしまっていることもある。(p.011)

 

TVやマスコミで取り上げられるものは

結局スポンサーの影響もからむので

うのみにはできないし、

「厚生労働省のガイドライン」すら

信用できるわけでない。

 

なかなかキビシイ現実…(T_T)

 

でもこのあたりのことを

具体的にはっきりと明言されている点が

とても小気味よいです。

 

健康情報についてはネット上でも珠玉混交で

情報が飛び交いますが

結局TVやマスコミの情報、

省庁が発信している内容すら

そのまま信じてはいけない

ということです。

 

ここは健康情報に限りませんが

やはり前提として理解しておくべき

重要なポイントだと思います。

 

この本の情報は概ね正しいと思います。が…

 

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読んでみての感想ですが

健康オタクがだいたいひととおり

知っていることがエビデンスでも

保証される形で記載されていました。

 

唯一、じゃがいもが白い炭水化物扱い

というのは知りませんでした。

そうなんだ~!

 

玄米菜食でプラントベースの

一物全体を推奨する

 「西式甲田療法」の食事にも

(細かい点で違いはありますが)

おおむね通じる内容だと思います。

 

 が

 

一方で、この本を初心者向け

としたのはシロウトですが

一応理由がありまして。

 

エビデンスベースの科学的根拠も

一つの参考にはなると思いましたが

所詮は現代人の食事がベースなので

それ以上ではないということです。

 

塩についての説明がざっくりすぎる…

  

例えばわたしが気になった1つは

p.123のコラムにある「塩」

の話ですが、この塩の話は

精製塩の話なのかミネラルを含む

天然の塩(海の塩)のことなのか

でまったく変わってくるはずなのに

その点の言及がありません。

 

恐らく統計上に上がったのは

「精製塩」だと思いますが、

 

そのデータを根拠に

血圧があがってしまうので

味噌汁と漬物をやめて減塩しろ

というのはあまりにも短絡的で、

ちょっとびっくり。

 

高学歴であっても

日本食の本当の食文化について

知らないのだなぁと

少し残念に思います。

 

塩もGHQが来てから取り除かれたってのもあるんですけど、いまの塩は精製塩がほとんどなので、血圧を不自然に高める作用がある。本来の塩はカリウムとかマグネシウムとかカルシウムとか豊富なミネラルが入ってるので、不自然な作用がそんなにないんです。その人に合わせてミネラルの作用が働きますので、ガッて血圧だけを上げるような塩じゃないんですよ。
(p.36『医者だけが知っている本当の話』(内海聡・真弓定夫著/ヒカルランド/2015) 

 

塩の選び方とか醤油とか味噌とかは、いまのインチキな味噌やインチキな塩じゃなくて、厳選してもらうようにすることが、血圧の考え方と同様に非常に大事だと思います。(p.36-37 同上)

 

  

この本のブックレビューについてはこちら⇒【3冊目】『医者だけが知っている本当の話ー薬を使わない子育て&不必要な治療』ベテラン小児科医と医療を告発し続ける内科医が本気で語る、お医者さんにこそ知って欲しい健康のための正しい知識!

 

この場合本当にすすめるべきは

味噌汁と漬物をやめさせること

ではなくて本物の味噌と塩なのに

と思います…。

 

食品の汚染度や固有の腸内細菌の存在なんかは?

 

わたし自身は動物性タンパク質は

嗜好品レベルで常食する必要はない

と思っていますが

 

肉食についても、

添加物などに汚染されていない

健康な肉を食べていた時代の

エスキモーの人たちには

ガンの病気はなかったという話も

あります。

 

またパプアニューギニアの高地

に住む人たちは、イモなどしか

たべなくても体格がよくて健康なのは

長い年月をかけて

その地の食生活に体が適応した結果

という話もあります。

 

人間は機械ではないので

食品の栄養は、単純な摂取だけでなく

住んでいる土地や気候、

その地で育まれる食物、

長年の食文化によって培われた

その土地に暮らす人々の腸内細菌、

場合によっては食品の汚染レベルなど

 

総合的なスケールでみないことには

結局わからないという限界も感じました。

 

たとえば食べ物には

冷やす食べ物や温める食べ物もあり

暮らす地域の気候によっても

体によい悪いは変化すると思われます。

  

この点は、

これからの研究に期待したいです。

 

これは言ってしまうと元も子もないですが…。

  

そしてもう一つは、

この本の科学的根拠は

研究論文によるエビデンス

となっていますが

そもそも認められている論文が

どのくらいあてになるのかという点。

 

都合の悪い論文は

闇に葬られることも多いですし

画期的な研究は残念ながら

内部でつぶされたり公にされないことも

多いようです。

 

そう考えるとこの本も

データの一つとして参考にはしつつも

やはり全てをうのみにするわけには

いかないのかも知れません。

 

さいごに

 

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ちょっとした疑問点についても

書いてはみましたが、

この本の科学的根拠は

おおむね参考になるのは

間違いないと思います。

 

しかし、

どの部分を正しいと認識し

どの部分が間違っていると思うのか

については

 

本を読んだ人の判断能力次第であり、

    

あなたが正しいと選んだ情報に、あなたの健康は左右されている

 

のではないでしょうか。

 

あなたの体は

あなたのリテラシー能力の通信簿

とも言えます。

 

今、あなたは健康ですか? 

  

 体は必ず答えを知っています。

 

わたしも本格的な食事制限をはじめて

3年になろうとしていますが

いまだ日々勉強中です(>_<)

 

でもおおむね間違っていないという

自信はあります。

 

この本があなたの

「食の選択」の参考になれば

幸いです。